カメルーン中小企業支援プロジェクトに出てくる保護セル会社とは(Protected Cell Company)

クラウドクレジットから2016年を統括するメールが届きましたね。

法人口座受付や預託金口座の導入などのサービス拡充が進んだ年でした。

成立ファンドも100本を超えましたし、ローン総額16億円突破ということで今後も順調に投資額が増えていけば、

着実に利益も出てくるでしょう。(未公開のため不明ですが、たぶんまだ出てないと思ってます)

今年最後の投資はカメルーン中小企業支援プロジェクト


今年はクラウドクレジットに12本の投資を行いました。

リスク分散のため1本あたりの金額は抑えており本数が多くなっています。

1万円から投資できるクラウドクレジットは良心的ですね。

オーナーズブックも同じように1万円から投資できるのでよく使っています。


クラウドクレジットで扱っている商品は利回りこそ良いものの、

当然ながら海外途上国の個人債権というかなりのハイリスクな商品ですので、

商品自体が十分すぎるほどリスキーだと考えています。

これに途上国通貨の大きな変動が加わると目も当てられない結果になるため、

基本的には為替ヘッジのある商品に投資しています。

それでも大きく動きすぎるとそもそものヘッジすら効果が出ない、

可能性も大きいので気休め程度のものだと思ってます。(契約上は当然に履行されるはずですが…)

リスクを引き受け財産を分離しておく「保護セル会社」


カメルーン中小企業支援プロジェクトに投資する時に交付される書類に、

以下のような文章があります。

モーリシャス共和国の保護セル会社(Protected Cell Company)であるPan Africa Investment Funding Limited PCC(以下「本件借入人」といいます。)に対する責任財産限定特約付きの金銭の貸付(以下「本件貸付」といいます。また本件貸付に係る債権を「本件貸付債権」といいます。)を行い、これを回収する事業

毎回気になってはいたのですが、この保護セル会社というのは簡単に言えば、

特定のリスクをある会社の代わりに引き受ける会社です。

まず貸付時は以下のようなスキームで貸付が行われます。

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まず日本のクラウドクレジットがエストニアのグループ会社に貸し付けます。

その後、エストニアクラウドクレジットがモーリシャスの保護セル会社である、

Pan Africa Investment Fundingに責任財産限定(ノンリコース)で貸付を行います。

ノンリコースローンについては過去にまとめました。

crowdfunding.hatenadiary.com

こうして出資された資金がカメルーン中小零細企業棚卸資産購入に充てられます。

とはいってもただ単に貸し付けるのではなく、

取り扱う商品をOvamba社が市場価値より安価に購入し、同時に当該事業者に対して一定期間後に売り戻す契約をします。

つまり、商品(棚卸資産)を担保にして資金化を行っているということになります。

こうした取引における資金調達フローをトレードファィナンス(売戻条件付売買契約)と呼んでいます。


返済時は出資時とは逆の流れになります。

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カメルーンの中小企業がOvamba社に資金を返済し、代わりに棚卸資産の所有権を再度受け取ります。

Ovamba社はマージンを取り、モーリシャスのPan Africa Investment Funding社に、

投資された分の元利を返済し、エストニアクラウドクラウドクレジット社がさらに元利金を受取り、

最終的に日本のクラウドクレジットに返済され、投資家に分配されます。


この際に使っているPan Africa Investment Funding社が保護セル会社です。

この投資スキームのために使われてる財産を管理する会社であり、

法律上も資産および負債を法的に完全に分離される仕組み(セル)を持っています。


それぞれのセルは同じ保護セル会社であっても独立していますが、全体としては一つの法人格を持っているという特徴があります。*1

私が考える保護セル会社をスキームに入れるメリット


クラウドクレジット社にとってはリスクを一つの商品で完結させられるため、

本体やその他の商品への影響を抑えることができるという、

リスクコントロールの手段として使っているのだと理解しています。

そういう意味ではSPC(segregated portfolio company)にも近い用途なのかと思っています。


投資家としてこうして気になることを調べていると勉強になりますね。

あくまで一投資家の見方に過ぎませんので、

もしこのスキームについてお詳しい方がお読みでしたら補足・訂正いただけるとありがたく思います。

*1:A corporate structure in which a single legal entity is comprised of a core and several cells that have separate assets and liabilities. The protected cell company, or PCC, has a similar design to a hub and spoke, with the central core organization linked to individual cells. Each cell is independent of each other and of the company’s core, but the entire unit is still a single legal entity.  Protected Cell Company (PCC) Definition | Investopedia